「将棋を始めたいけど、駒の動き方がさっぱりわからない…」
そんなあなたのために、将棋の基本8種類の駒の動かし方を、図解つきでやさしく解説します。
「駒の役割って?」「どれが強いの?」「“成る”ってどういう意味?」など、初心者がつまずきやすいポイントをしっかりカバー。
本記事を読むことで、駒の名前・動き方・戦い方がすぐに理解できて、実際に対局ができるようになります。
初心者にも読みやすく、図と具体例を交えて説明しているので、安心して読み進めてください。
この記事は、将棋歴10年&指導経験ありの筆者が監修しています。
将棋の駒は全部で8種類
将棋を始めるうえで、まず最初に覚えるべきなのが「駒(こま)」の種類です。
将棋には全部で8種類の駒があり、それぞれに役割や動き方が決まっています。
ここでは、それぞれの駒の名前と、基本的な役割をやさしく紹介します。
駒の一覧と特徴(王将・金・銀・角・飛・桂・香・歩)
将棋には、以下の8種類の駒があります:
駒の名前 | 読み方 | 役割・特徴 |
王将 | おうしょう | 王様。とられたら負け(唯一の“絶対”の駒) |
金将 | きんしょう | 守りが得意。成れないが万能型 |
銀将 | ぎんしょう | 前に進みやすい。攻め駒として活躍 |
角行 | かくぎょう | 斜めに遠くまで動ける長距離攻撃駒 |
飛車 | ひしゃ | 縦横に動ける最強の攻撃駒 |
桂馬 | けいま | 「跳ねる」動き。相手の守りを飛び越える |
香車 | きょうしゃ | 縦方向に無制限に進める特殊駒 |
歩兵 | ふひょう | いちばん多く、前に一歩ずつ進む基本駒 |
すべての駒は、最初に並べる位置も決まっていますが、それは後の記事で紹介します。
名前の意味と役割(攻め駒・守り駒)
駒の名前は、それぞれの特徴をあらわしています。
- 「王将」は将棋の中心。王を守ることが何よりも重要です。
- 「金将」は攻めにも守りにも使えます。終盤では王の近くに配置されることが多いです。
- 「銀将」や「桂馬」は前進が得意で、攻撃の先鋒になります。
- 「角行」「飛車」は“飛び道具”とも呼ばれ、長距離から相手を攻める主力駒。
- 「香車」や「歩兵」は動きがシンプルですが、数や位置によってはとても重要です。
将棋では、これらの駒をうまく連携させて戦っていきます。
このように、それぞれの駒には役割があり、バランスよく使うことが勝利への第一歩です。
次は、それぞれの駒の具体的な動かし方を、図を交えてわかりやすく解説していきます。
それぞれの駒の動かし方を図で解説
ここでは、将棋の8種類の駒が実際にどのように動くのかを解説します。
将棋を楽しむには、まず動きをしっかり理解することがとても大切です。
王将・金将の動き(守備の要)
▶ 王将(おうしょう)
- 縦・横・斜めのすべての方向に1マスだけ動ける
- 「自分の命」とも言える駒。取られると負けです。
- 敵の駒の利きに入らないように逃げながら戦うのが基本。
動き: ↑↗→↘↓↙←↖(全方向1マス)
▶ 金将(きんしょう)
- 前・横・後ろに1マス動ける(斜め後ろはNG)
- 王将を守る役目として終盤にとても重要。
- 成ることはできませんが、安定した守備力が魅力です。
動き: ↑→↓←↖↗(斜め後ろ×)
銀将・桂馬・香車の個性的な動き
▶ 銀将(ぎんしょう)
- 斜めと前に動けるが、横や後ろは苦手
- 攻めの先鋒として活躍します。
- 成ると金将と同じ動きになります(「成銀」)。
動き: ↑↗↙↖↘(横×後ろ×)
▶ 桂馬(けいま)
- 前に2マス進み、そこから斜めに1マスの“跳ねる”動き
- 敵の守りを飛び越えられる唯一の駒。
- 後退できないため、無理に進めると動けなくなることも。
動き: 「前方2マス+左右斜め1マス」
▶ 香車(きょうしゃ)
- 縦方向(前)に何マスでも進める
- 歩と似ていますが、直線で一気に攻め込めるのが特徴。
- 横や後ろには動けないため、使い所には注意が必要。
動き: ↑↑↑↑↑↑↑(直進のみ)
角行と飛車は遠くまで飛ぶ駒
▶ 角行(かくぎょう)
- 斜め方向に、盤の端まで好きなだけ進める
- 遠距離から敵を狙える「飛び道具」。
- 成ると「馬(うま)」になり、斜め+周囲1マスに動けるようになります。
動き: 斜め全方向 無制限
▶ 飛車(ひしゃ)
- 縦横に、何マスでも進める
- 攻撃力最強の駒。自陣に置いておくより攻めに出すことが多い。
- 成ると「龍王(りゅうおう)」となり、縦横+周囲1マスが加わります。
動き: 縦・横 全方向 無制限
歩兵は地味だけど超重要
▶ 歩兵(ふひょう)
- 前に1マスだけ進む
- 一見地味な駒ですが、前線を押し上げたり、守りにも使える重要な存在。
- 成ると「と金(ときん)」となり、金将と同じ動きになります。
動き: ↑(前に1マスのみ)
将棋は、これらの駒の特徴と組み合わせを理解しながら進めるゲームです。
それぞれの駒の性格をつかんで、攻める・守るを考えるのが楽しくなってきますよ。
「成る」とは?駒が進化するルール
将棋の駒には「成る」という特殊なルールがあります。
これは、ある条件を満たすと駒がパワーアップする仕組みで、初心者にとっては最初の難関かもしれません。
しかし、一度理解すればとてもシンプルで、勝敗を左右する大事なポイントになります。
成るとどう変わる?(駒の進化)
「成る」とは、ある特定の場所に駒が入ったとき、裏返して動きが強化されるルールです。
- 銀将・桂馬・香車・歩兵 → 成ると「金将」と同じ動きになります(=金の動きになる)
- 角行 → 成ると「馬(うま)」になり、斜め+周囲1マスに動けるようになります
- 飛車 → 成ると「龍王(りゅうおう)」になり、縦横+周囲1マスに動けるようになります
つまり、成ることでより自由に動けるようになり、戦いが有利に進みやすくなるというわけです。
成れるタイミングと条件
「成る」ことができるのは、以下の条件に当てはまるときです。
▶ 成れる条件
- 自分の駒が**敵陣(盤の向こう3段:7〜9段目)**に入ったとき
- もしくは、敵陣内で動いたとき
- ※相手の陣地に入った瞬間や、そこから動いたときに「成るかどうか」を選べます
▶ 成りは強制?それとも任意?
- 成るかどうかは自分で選べます
- ただし、桂馬・香車・歩兵などが敵陣の一番奥に入ったときは、次に動けなくなるため成るのが強制です(動けなくなるのを防ぐため)
成らないほうが良い場合もある?
実は、必ずしも成ったほうがいいとは限らない場合もあります。
- 例えば、銀将は「成る」と金将と同じ動きになり、斜め後ろに下がれなくなるというデメリットも
- 「相手の王を追いかけたい」「動きの幅を残したい」という戦術上、成らない選択もプロではよくあります
ただし、初心者のうちは基本的に「成ったほうが強くなる」ので、どんどん成って大丈夫です!
将棋は、「成る」ことで戦い方が大きく変わるゲームです。
うまく駒を進化させて、自分の陣形をどんどん強くしていきましょう。
次のセクションでは、駒の覚え方や練習方法について紹介します。
駒を覚えるためのコツと練習法
将棋を始めたばかりの方がまず感じる壁は、「駒の種類が多くて覚えられない…」ということ。
ですが、いくつかのコツと練習方法を使えば、誰でも楽しく覚えられるようになります。
ここでは、初心者向けにおすすめの方法を3つ紹介します。
イラスト・語呂合わせで覚える
▶ 図解・イラストで「形」と「動き」を結びつけよう
駒の名前や形だけを覚えようとすると難しく感じますが、「動き」とセットで覚えると定着しやすくなります。
たとえば:
- 飛車=飛ぶようにまっすぐ動ける → 「飛」の文字から連想
- 桂馬=斜めに跳ねる → 馬のような跳躍
- 金将=全方向に安定して動ける → 「金」=万能な存在
かわいいイラスト入りの図解や教材を使うと、視覚から自然に記憶できます。
▶ 語呂合わせで記憶に残す
- 「歩は一歩だけ前進」
- 「金は後ろ斜め以外行ける」
- 「角は斜め、飛は横縦」
など、音のリズムで覚えるのも効果的です。
駒ごとの練習法(歩だけ対局など)
▶ 駒を1つずつ覚える練習
いきなりすべてを使うのではなく、「1つの駒に集中して練習する」ことで理解が深まります。
例:
- 歩兵だけで対局してみる(歩を進める感覚を覚える)
- 飛車と角だけの「飛角将棋」で遠距離の動きを練習
- 金と銀だけの対局で攻めと守りの違いを体験
将棋ウォーズなどのアプリでも、こうした練習は可能です。
おすすめの無料練習アプリ・教材紹介
▶ 無料で使える学習ツール
ツール名 | 特徴 |
将棋ウォーズ | 対人戦と練習戦があり、初心者でも楽しめる |
ぴよ将棋 | AI対局で自分の力を伸ばせる。解説機能あり |
将棋クエスト | 無料で全国のプレイヤーと対局できる |
将棋の渡辺くん | マンガ形式で将棋のルールが楽しく学べる |
将棋入門サイト | 日本将棋連盟公式の解説ページ(イラスト多め) |
アプリや教材はスマホでも簡単に使えるので、すきま時間で少しずつ覚えていくのがおすすめです。
「全部覚えないといけない」と気負わずに、まずは1つずつ駒の特徴を知るところからスタートしてみましょう。
楽しみながら覚えることが、長く続けるコツですよ。
まとめ|駒の動きを覚えるのが将棋の第一歩
将棋を始めるうえで、駒の名前や動き方を理解することは最も基本的で大切なステップです。
今回ご紹介した内容を振り返ってみましょう。
駒の種類と役割を覚えよう
- 将棋には8種類の駒(王・金・銀・角・飛・桂・香・歩)がある
- それぞれに個性があり、「攻め駒」「守り駒」として役割が分かれる
- 駒の動きを図で確認しながら、実際に手を動かすことが大切
「成る」ルールを理解すれば実戦でも困らない
- 敵陣に入った駒は進化(成る)できる
- 成ることで動き方が変わり、戦い方も大きく広がる
- 成らないほうがいい場面もあるが、初心者は基本的にどんどん成るのが吉!
駒の覚え方は工夫次第でグッと楽になる
- 語呂合わせやイラストで覚える
- 駒ごとの練習やアプリを活用することで、無理なく自然に身につく
- 完璧を目指すより、「楽しんで覚える」ことを優先しよう
まずは一局指してみよう
「ルールがまだ不安…」と思っても、実際に動かしてみることで一気に理解が深まります。
スマホアプリやオンライン将棋サイトを使えば、初心者でも簡単に体験できます。
将棋は覚えれば覚えるほど面白くなる知的なゲームです。
今回の記事が、あなたの将棋の第一歩となり、これからの学びのきっかけになれば嬉しいです!
