「戦法」と聞くと、なんだか難しそうに感じませんか?
将棋を始めたばかりの頃は、「どうやって駒を動かせばいいのか」「何から覚えたらいいのか」と迷うもの。でも、そんな時こそ“戦法”という「型」を知っておくと、グッと将棋が指しやすくなるんです。
この記事では、将棋初心者の方におすすめしたい基本戦法を5つ厳選してご紹介します。
どれも覚えやすく、実戦でもすぐに使えるものばかり。まずはひとつの戦法にしぼって、繰り返し使うだけで自然と勝率も上がっていきます。
「いつも駒がバラバラに動いて負けてしまう…」そんなお悩みを解消するヒントがきっと見つかるはずです。
「将棋入門から初段への道」を一歩ずつ、楽しみながら進んでいきましょう。
初心者が戦法を学ぶメリットとは?
将棋を始めたばかりの頃は、とにかく目の前の駒を動かすことで精一杯。でも「戦法」という考え方を取り入れることで、序盤から中盤にかけての動きに一貫性が生まれ、勝ちやすくなります。
戦法=「序盤の型」だから迷わず指せる
戦法とは、駒の動かし方を“パターン化”したもの。
例えば「最初は飛車をこの位置に動かす」「角はこう使う」といった基本形を覚えておくだけで、毎回指し方に迷わず進めることができます。
初心者のうちは毎手ごとに「これでいいのかな…?」と考えるのが大変。
でも戦法を覚えれば、あらかじめ決まった流れに沿って指せるので、安心感と自信が生まれます。
毎回違う形で指すより、勝率が安定しやすい
戦法を知らずに毎回バラバラに指していると、形が崩れてしまい、守りも攻めも弱くなりがちです。
一方、決まった戦法で指していれば、駒の連携が取れた形になりやすく、相手の攻めにも対応しやすくなります。
繰り返し同じ戦法を使うことで、負けたときも「どこが悪かったのか」を振り返りやすくなるのも大きなメリットです。
「囲い」も自然に覚えられるようになる
戦法の多くは、「攻め」と同時に「囲い(=王将の守り方)」もセットで使われます。
たとえば「棒銀」なら「舟囲い」、「中飛車」なら「美濃囲い」など、自然とバランスの良い形になるよう設計されています。
つまり、戦法を覚えるだけで「攻め方」と「守り方」の両方が身につくんです。
これが、戦法を覚える最大の近道でもあります。
覚えやすくて強い!初心者におすすめの戦法5選
将棋の戦法はたくさんありますが、初心者がすべてを覚えるのは大変です。
ここでは「覚えやすく」「すぐに実戦で使えて」「勝ちやすい」戦法を5つ厳選しました。
棒銀(ぼうぎん)|攻めやすさ抜群の基本型
棒銀は、飛車と銀将を連携させて一直線に攻め込む戦法です。名前の通り、銀がまっすぐ進んでいく姿が特徴。
【特徴】
- 銀を使って一方的に攻めるシンプルな構成
- 序盤から主導権を握りやすい
- 舟囲いなどの簡単な守りと相性が良い
攻め方が分かりやすく、初心者が「最初に勝てるようになる」ための最短ルートとも言える戦法です。
中飛車(なかびしゃ)|バランス重視の万能戦法
中飛車は、飛車を盤の中央に構えて攻めと守りのバランスを取る戦法です。
【特徴】
- 飛車を五筋(中央)に置くため攻守に対応しやすい
- 美濃囲いとの相性が良く、守りも堅い
- 振り飛車の入門として非常におすすめ
中央から攻めることで、相手のミスを誘いやすく、駒の動きも自然なので学びやすい戦法です。
四間飛車(しけんびしゃ)|守りが堅くカウンターに強い
四間飛車は、飛車を四筋(左から2列目)に配置してじっくり戦う振り飛車の代表格です。
【特徴】
- 美濃囲いと組み合わせることで非常に堅い守りになる
- 相手の攻めを待って反撃するスタイル
- 戦法の幅が広く、長く使える
序盤で無理な攻めをしないため、冷静に対応したいタイプの初心者におすすめです。
矢倉(やぐら)|じっくり戦いたい人向けの堅陣型
矢倉は、居飛車(飛車を動かさない)戦法で、王将の守りを特に重視した構えです。
【特徴】
- 序盤に王将を守る囲いをしっかり組む
- 中終盤での読み合い・力戦に強い
- 教科書のような「正統派の将棋」が学べる
少し手順が多めですが、将棋の基本をしっかり学びたい人には最適です。
初心者にありがちなNG戦法・避けたい指し方
逆に、初心者がやってしまいがちな避けたい戦法(というより無計画な動き)もあります。
【注意ポイント】
- 駒がバラバラに動いて連携しない
- 飛車や角を早い段階で突っ込みすぎて損する
- 王将の囲いが甘く、すぐ詰まされる
これらを避けるためにも、一つでもいいので「型」を覚えることが重要です。
戦法は1つに絞るのが上達の近道
戦法をいくつも覚えようとすると、どれも中途半端になってしまいがちです。
最初のうちは、ひとつの戦法を集中的に覚えることで、将棋の基本がしっかり身につきます。
ひとつの戦法を深く理解しよう
将棋の戦法は「型」なので、繰り返し使うことで少しずつ深く理解できます。
たとえば「棒銀」なら、どこで銀を出すべきか、相手がどう受けてくるか、自然と身についていきます。
「分かったつもり」で終わらせず、同じ戦法で10局、20局と指してみることが大切です。
囲いと攻め筋が自然に身につく
戦法を一つにしぼると、囲い方も毎回似たような形になります。
それにより、王将の守りや攻めるタイミングのパターンが体で覚えられるようになります。
「なんとなくこう動かすと安定する」という“勘”のようなものも、繰り返すことで育っていきます。
勝ち負けより“再現性”を意識しよう
初心者のうちは「勝ち負け」に一喜一憂しがちですが、
実は大事なのは「同じ形を再現できるかどうか」です。
たとえ負けても、「また同じ形で指せた」「前よりスムーズだった」なら大きな成長。
結果より過程に目を向けることが、将棋を楽しみながら上達するコツです。
おすすめ戦法を練習するためのツール紹介
戦法は頭で覚えるだけでなく、実際に指して体で覚えることが大切です。
ここでは、初心者でも気軽に使える無料ツールやアプリをいくつかご紹介します。
将棋ウォーズでの実戦トレーニング
将棋ウォーズは、スマホで簡単に対局ができる人気アプリです。
【特徴】
- 対人戦が3局まで無料で指せる(毎日)
- 自動で棋譜を記録してくれる
- AIによる評価機能もあり、反省しやすい
初心者同士の対局も多く、気負わずに練習できる環境が整っています。
まずは、選んだ戦法を何度も使って実戦感覚をつかみましょう。
ぴよ将棋で戦法の復習ができる
ぴよ将棋は、AI相手に将棋の練習ができるアプリです。
1人でコツコツ練習したい人におすすめ。
【特徴】
- 弱いAI〜強いAIまで設定可能
- 自分の指した手を保存・振り返り可能
- 読み筋(次に指しそうな手)も見られる
「棒銀だけを何局も指したい」など、特定の戦法を徹底的に練習するのに最適です。
YouTubeや書籍で学ぶならこれ!
動画や書籍を活用して、戦法の考え方を理解するのも効果的です。
【おすすめのYouTubeチャンネル】
- 将棋放浪記(初心者向け講座が豊富)
- アゲアゲ将棋実況(実戦型で学びやすい)
【おすすめ書籍】
- 『将棋の基本戦法が身につく本』(西村一義 著)
- 『1日でわかる!将棋の基本と定跡』(マイナビ出版)
動画や本で「なぜこの手を指すのか?」を理解できると、実戦でも迷いが減ります。
まとめ|最初の一歩は「型」を覚えることから
将棋を始めたばかりの方にとって、「どう指していいか分からない」という不安はつきものです。
そんなときに頼りになるのが、**基本戦法という“型”**です。
戦法を覚えることで、序盤の動きが安定し、自信をもって指せるようになります。
今回は特におすすめな以下の5つの戦法をご紹介しました:
- 棒銀:攻めやすく初心者でも勝ちやすい
- 中飛車:攻守のバランスが取れた万能型
- 四間飛車:守りが堅く、反撃に強い
- 矢倉:じっくり派に向いた堅実型
- NG戦法:バラバラな指し方は避けよう
そして、いろいろ試すよりもまずは1つに絞って繰り返すことが、上達の近道です。
将棋ウォーズやぴよ将棋などのアプリ、YouTubeや書籍も活用しながら、実戦を積んでみましょう。
最初はうまくいかなくても大丈夫。
「型」を覚えて、「再現性のある将棋」を目指すことで、自然と力がついてきます。
この一歩が、**「将棋入門から初段への道」**の確かなスタートになるはずです。
