将棋の雁木囲いとは?特徴・棒銀対策・プロ採用まで徹底解説

雁木(がんぎ)囲いは、近年プロ棋士たちの間でも再注目されているバランス型の囲いです。

かつては古風な戦法とされていましたが、AI将棋の登場以降「実はかなり優秀」という評価が急上昇。特に藤井聡太竜王・名人やハチワンダイバー(漫画)などの影響で、アマチュア層にも人気が広がっています。

この記事では、雁木囲いの基本構造や組み方、メリット・デメリット、棒銀などへの対策方法、さらにはプロの棋譜や学習に役立つ教材まで幅広く紹介していきます。

[重要] 初心者の方でもすぐ理解できるように、図やリストを多用してわかりやすく解説しています!

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目次

雁木囲いとは?囲いの特徴と組み方の基本

雁木囲いは、金銀を横一列に並べることで守りを固めるシンプルかつ堅実な囲いです。

以下にその特徴と構造をまとめます。

雁木囲いの特徴まとめ【図解あり】

特徴内容
守備力金銀がバランス良く並び、中央・端どちらにも柔軟に対応できる
組みやすさ難しい手順が少なく、初心者でも比較的簡単に組める
攻撃との両立銀を前に出しやすく、角交換後の攻めにも展開しやすい
応用性他の囲い(矢倉・右玉など)にも移行しやすく、柔軟な駒組みが可能

雁木囲いの基本の形【図で覚える】

一般的な雁木囲いの形は以下の通りです(先手の場合)

ポイント

  • 銀を前に出し(6七銀)、金を並べて(5八金・6八金)厚みを出す。
  • 玉は5八に配置することで、守備と逃げ道を両立。
  • 棒銀対策としても優秀な形に進化できる。

雁木囲いの組み方|3ステップで覚える!

  1. 銀を先に上げる(6七銀)
     →攻めと守り両方を意識した配置。
  2. 金を横に並べる(5八金・6八金)
     →横からの攻撃に耐性。
  3. 玉を中央寄りに構える(5八王)
     →矢倉のような堅さ+逃げやすさを両立。

[ヒント] 雁木は組みやすさとバランスの良さが魅力なので、序盤に手順を崩さないことが重要です。

雁木囲いのメリット・デメリット|どんな場面に強い?

雁木囲いは、その柔軟性と簡単さからアマチュアにも人気の囲いです。

ただし、守備力の面で他の囲いに劣る場面もあるため、使いどころの理解が大切です。

雁木囲いのメリット【3つの強み】

雁木囲いには以下のような大きな利点があります。

  1. 柔軟性が高く移行も可能
    雁木から矢倉・右玉・銀冠などに移行しやすい
    駒組みに幅があるので戦型に応じて自在に対応できる
  2. 棒銀や急戦に対して強い
    銀・金が横に並ぶため、棒銀などの一直線な攻めに強い
    相手が急戦に出てきても柔軟に受け止められる
  3. 初心者にも組みやすい
    3手〜5手で基本形が完成
    無理なく自然に形を作れる

雁木囲いのデメリット【注意点まとめ】

一方で、雁木囲いには以下のような弱点もあります。

デメリット項目内容
金の位置が薄いことも左金が横に流れるため、玉の真横が空きやすく、場合によっては薄い形になる
美濃囲いよりは弱い横からの攻めにやや脆く、特に端攻めには注意が必要
定跡が少なく自己判断が必要矢倉や美濃囲いに比べ、定跡や本の数が少なく、自分で判断しやすい分不安もある

[重要] 雁木囲いは柔軟性を取る代わりに堅さを一部犠牲にする囲いとも言えます。

相手の戦型や自分の棋風に応じて使い分けると効果的です。

雁木囲いが効果的な場面とは?

以下のような状況で、雁木囲いは真価を発揮します。

  • 相手が棒銀や急戦型を多用してくる場合
  • 序盤から角交換の展開が見込まれるとき
  • 自分が柔らかく受けて反撃する棋風の場合

【使いどころ早見表】

相手の戦型雁木囲いの相性
棒銀◎ とても強い
居飛車急戦◎ 安定して受けられる
持久戦(矢倉など)◯ 少し工夫が必要
角交換型◯ 中盤以降で勝負

雁木囲いと棒銀の関係|棒銀対策として有効なのか?

雁木囲いは棒銀に対して有効な囲いの1つとされています。

特に、金銀のバランスの良い配置が、銀の単独突破を防ぐ壁となります。

棒銀とはどんな攻め?

まずは棒銀戦法の特徴を簡単に整理しておきましょう。

特徴項目内容
基本形銀を一直線に進めて▲3四や▲7四に打ち込む攻め
目的銀で歩を突破して角や飛車のラインを通す
弱点攻めが単調になりやすく、受けられると不利になりやすい

棒銀は初心者〜中級者に多く使われる戦法で、「一直線に銀を繰り出して攻める」ため対処法を知っておくと非常に有利になります。

雁木囲いで棒銀を防ぐ仕組みとは?

雁木囲いは、以下のような仕組みで棒銀に強いと言われています。

金銀の横並びで突破を防ぐ

  • 金が玉の横に配置されているため、銀の進入路をしっかりカバーできる
  • 棒銀の狙い「銀→歩→飛車筋突破」に複数の守り駒で対応可能

角道を止めやすい形

  • 雁木の特徴として角道を止める(6六歩など)構えが自然
  • これにより、棒銀に合わせた角の支援を封じることができる

反撃の構えを持てる

  • 雁木の銀は攻守に活躍できる位置にいるため、カウンターの筋も豊富

雁木 vs 棒銀の基本的な対応パターン

以下は、棒銀に対して雁木囲いで対応する際の主な考え方と手順です。

攻めの流れ(棒銀)対応策(雁木囲い)
▲7六歩 → ▲7七銀△6四歩 → △6三金 で銀の進路を抑える
▲7五歩 → ▲7四銀△7三歩打 で銀を受け止める
▲同銀 → ▲同歩△7三金引 or △6三銀 でさらに防御強化
▲7三銀不成△同金 or △同銀で銀を除去

[ポイント] 雁木囲いは「受けて反撃」の形を取りやすく、棒銀のような直線的な攻めには特に強いです。

注意!雁木囲いにも弱点はある

ただし、以下の点には注意が必要です。

  • 雁木囲いは斜めや横の攻めにやや弱いので、端攻めや飛車の横利きには注意
  • 金銀が偏ると反対側からの攻撃に脆くなる可能性がある

雁木囲いを使った実戦例とプロの採用例

雁木囲いはプロ・アマ問わず愛用される戦法であり、実戦でも多くの採用例があります。

ここでは代表的な棋譜やプロ棋士の活用パターンを紹介し、雁木の実用性を見ていきましょう。

プロ棋士の実戦に見る雁木囲いの採用例

雁木囲いは特に近年、プロの公式戦でも頻繁に登場しています。代表的な採用棋士は以下の通りです。

棋士名雁木囲いの特徴的な使い方
藤井聡太雁木+角交換を絡めた複雑な構成を構築、現代流の雁木使い
佐々木勇気雁木のバリエーションを多用し、居飛車急戦にも対応
渡辺明鋭い棒銀対策として雁木囲いを積極的に使用

[注目] 特に藤井聡太七冠は、雁木囲いを独自にアレンジし、攻防一体の布陣に昇華させています。

アマチュアの対局例に見る雁木の有効性

雁木囲いはアマチュアでも非常に再現性が高い戦法として支持されています。

実戦例:棒銀を完封した雁木の布陣

▲7六歩    △8四歩  

▲6六歩    △6二銀  

▲7七銀    △5四歩  

▲6八玉    △6四銀  

▲5八金右  △4二玉

このように雁木の形を完成させながら棒銀の進行を阻止し、攻め手の銀を押し返す構えが可能です。

実戦では、雁木の「引き締まった守り」と「角交換からのカウンター」が光る場面が多く見られます。

ハチワンダイバーでも登場した雁木囲い

漫画『ハチワンダイバー』では、登場人物の1人アマチュアの神野が雁木囲いを巧みに使い、相手を圧倒するシーンがあります。

  • 敵の棒銀を真正面から受け止め、逆に角交換から猛反撃する流れ
  • 雁木囲いが心理戦でも有効であることを象徴的に描写

[豆知識] 雁木囲いは、その形の美しさと硬さから“囲いの中でも芸術的”と称されることも。

雁木囲いを学べる本・動画・棋譜・アプリまとめ

雁木囲いをマスターするには、書籍・動画・アプリ・棋譜を活用するのが近道です。

このセクションでは、初心者から中級者まで活用できるおすすめの教材をご紹介します。

初心者向け|雁木囲いを学べるおすすめの本3選

以下は、雁木囲いの基本から実戦まで学べる信頼できる書籍です。

書籍タイトル著者特徴レベル
雁木で勝つ現代将棋杉本昌隆雁木の最新定跡や変化手順を解説中級者向け
雁木囲いの教科書中村太地雁木の構造を図解で丁寧に紹介初心者向け
プロに学ぶ現代将棋 雁木のすべて渡辺明実戦での雁木の活用法を解説中〜上級者向け

YouTube・将棋アプリで学べる雁木の動画講座

[重要] 特に初心者は図解中心の書籍から入り、棋譜の流れを自然に理解するのがおすすめです。

時間や場所を選ばず学べるのが、YouTubeやアプリの魅力。以下におすすめを紹介します。

おすすめYouTubeチャンネル

  • 将棋放浪記(プロ棋士ユーチューバー)
    雁木の手順を一から解説
    対棒銀の受け方や角交換後の変化まで網羅
  • 将棋の森チャンネル
    雁木 vs 急戦型の応酬を実戦形式で紹介

おすすめアプリ

アプリ名内容
将棋ウォーズ雁木戦法を実戦で試せる。棋譜保存機能あり
将棋クエストレーティング対局で雁木を磨ける
棋譜並べアプリ雁木囲いの実戦例を反復練習できる

プロの棋譜を使った雁木の学習方法

棋譜は“最高の教材”とも言えます。以下の方法で雁木囲いの理解を深めましょう。

棋譜学習のステップ

  1. プロの雁木棋譜を探す
    藤井聡太や佐々木勇気の対局がおすすめ
  2. 並べながら「なぜこの手か」を考える
    主導権の移り変わりに注目
  3. 同じ型の対局を複数見て、型を体に覚えさせる

まとめ|雁木囲いで現代将棋の戦い方を身につけよう

[POINT] 雁木の棋譜は、「角交換型」や「棒銀対策型」などバリエーションを意識して選ぶと理解が深まります。

雁木囲いは、守りと攻めのバランスが取れた現代的な囲いのひとつです。

藤井聡太五冠の影響もあり、近年再評価され、急激に注目が集まっています。

特に棒銀や急戦に対する耐久性、柔軟な角道の活用による反撃力などは、従来の囲いにはない大きな魅力です。

以下に、この記事のポイントを簡単に整理しておきます。

雁木囲いの重要ポイントまとめ

視点ポイント
特徴美濃囲いと矢倉の中間的な強さ。バランス重視の構え。
メリット対急戦・棒銀に強く、角道を開けたまま戦える柔軟性。
デメリット美濃囲いや矢倉と比べると若干受けの形に不安定さが残る。
対策飛車先突破や角筋制圧が効果的。急戦も有効。
学習法書籍・YouTube・アプリ・プロ棋譜を組み合わせると◎

雁木囲いをマスターするための3ステップ

  1. 基本形と棒銀対策の定跡を理解する
    形の意味と動かし方を正確に覚える
  2. プロ棋譜を並べて考え方を身につける
    指し手の意図を理解しようとする姿勢が重要
  3. アプリや実戦で繰り返し使ってみる
    同じ形を何度も経験することで、対応力が身につく

最後に|自分の戦法の幅を広げる選択肢に

雁木囲いは、特定の形に頼らない柔軟な構えのため、様々な戦法と相性が良いのが魅力です。

四間飛車や中飛車の振り飛車系と比べると若干マイナーですが、そのぶん相手に研究されていないという利点もあります。

自分の棋風がまだ定まっていない方や、新しい武器を探している方は、ぜひ雁木囲いを候補に加えてみてください。

現代将棋の戦い方を学ぶうえで、非常に価値ある選択になるはずです。

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